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化学品 危険物の 「コスト削減請負人」が公開する 海外/国内ロジスティクスを失敗しない秘訣

失敗しない倉庫選び 営業倉庫はいくつ必要か?

営業倉庫を借りる場合には、倉庫はどこに何か所必要となるのでしょうか。


 倉庫は工場から出荷された後、輸入品であれば通関後から顧客に輸送するまでの間、一時的に保管する場所です。物流においては顧客配送への中継基地となります。

 

 倉庫を持つということは当然ながら、商品を在庫することになります。そして、在庫を持つことは、それだけ余分なコストがかかるので、その在庫量は常に市場の動きと連動させ、最小限の在庫数量になるように管理します。そこで在庫管理は、「在庫量はいくら持てばいいのか」、「安全在庫はいくら持てばいいのか」と悩むわけです。

 

  究極の安全在庫は一体いくらなのでしょうか?

 

 その答えはゼロです。

 

 そもそも在庫を持つことが余分なコストかかることなので、できるだけ保管期間を少なくして顧客に届けることがベストです。最もベストの方法は、在庫を持たず、生産地から顧客まで直送することです。在庫を持たずして、販売を展開するのには受注生産となります。しかしながら、リードタイムや注文数量の問題で、在庫販売が多いのが現実です。

 

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 それでは営業倉庫はどこに何か所で設置すればよいでしょうか?

 営業倉庫の場所としては、貿易港の周辺か、幹線道路・鉄道などにアクセスがよいところが良いとされています。 

 

 輸入品であり、通常、船舶で輸送しているならば、荷卸港と顧客の場所との直線上に倉庫があればいいですね。

   私が考えるには次のこと頭におきます。


もし日本に営業倉庫を1つだけおくとするならば、
それは中部 (愛知、静岡)で考えます。

 

もし日本で営業倉庫を2つおくとするならば、
関東(東京、横浜)と関西(大阪、神戸)で考えます。

 

もし日本で営業倉庫を3つおくとするならば、
関東(東京、横浜)と関西(大阪、神戸)、それに九州(博多、門司)でしょうか。

 


平成28年 全国港別貿易額表によると (単位:億円)総額は下記の通りです。


1. 成田空港 (千葉) 203,481.
2. 東京 (東京) 164,077
3. 名古屋 (愛知) 152,259
4. 横浜 (神奈川) 106,846
5. 関西空港 (大阪) 86,344
6. 神戸(兵庫) 80,109
7. 大阪(大阪) 74,857
8. 千葉 (千葉) 34,120
9. 三河 (愛知) 30,289
10. 川崎 (神奈川) 29,931
11. 清水(静岡) 26,088
12. 博多(福岡) 24,058
13. 四日市(三重)19,236
14. 広島(広島) 18,139
15. 中部国際空港 (愛知) 27,598


貨物の量で考えるか、金額で考えるかでもこの順位は異なります。成田空港が1位になっているのは、輸入品の単価が高いことから総金額が高くなっています。

過去に航空便で医療機器をアメリカから輸入していた時には、大阪国際空港に隣接したところに営業倉庫を1つだけ設置しました。

 

どの輸送モード(船舶、飛行機、トラック)を使用しているか、顧客の位置、出荷数量などをしっかり調査して、コストのかからない、保管期間を短くして、営業倉庫の設置を検討することが大事です。