固定資産を持つにはお金が必要です!!
自社の倉庫がなく、倉庫業者と契約している営業倉庫の中に何らかの設備を依頼したい場合、当然のことながら、設備自体の費用や設置の為の費用が発生します。
その設置の合意のうえで、倉庫業者との話し合いになりますが、その際に出来れば会社は社外の固定資産を持ちたくありません。
固定資産とは、「自分の会社で長く使うモノ」のことを言います。
なぜ固定資産を持ちたくないのか、その理由はいくつかありますが、代表的なものは下記の2点となります。
1.その瞬間に多額の現金が必要となる。
2.管理に手間がかかる固定資産管理が必要となる。
1.について言うまでもなくお分りなるので、2について説明します。
会社は1年間に得た利益に対し、税金を納めなければなりません。
「会社の利益」とは、ざっくりというと、売上から原価・経費を引いた残りです。
つまり、一度に高額のモノを経費にしてしまったら、会社は赤字になってしまうかもしれません。
そのことをわかりやすくイメージしてもらうために、下記を例として簡単な表現で説明します。
会社の1年間の売上が1億円であったとします。
原価と経費の合計が6千万円だったとしてら、利益は残りの4千万円です。
しかし、倉庫に設置した設備費用が5千万円かかり、その全額をすべて経費にしてしまうと、
会社の利益は 1億ー6千万ー5千万となり、1千万円の赤字となってしまいます。
そこで 「20万円を超えて、1年以上継続して使用可能なもの」について、一度に経費にしてしまわず、対象物によって決められてた年数(償却年数)に分けて経費に入れるようにしましょうというルールがあります。
これが「固定資産」と言われるものです。
お金ではなくモノを資産で持っているということです。
実は、そのルールを守るために、管理台帳を作成したり、資産番号を付与したり、税金を申告したり、この管理はルールに従って行う必要があります。実は、この資産管理にとても手間がかかるのです。
だから、固定資産を持つことを避けたいのです!
では、どのように交渉すれば良いのか?
倉庫業者との交渉において、自分の会社には固定資産を持つことせず、一定の期間(例えば、3年とか5年の期間内で)倉庫業者にその設備使用料として支払うことで了承を得るのが得策です。
少し視点を変えて、番外編としてお話しすると、
一般的な日系企業は長期間でビジネスを考えて動く傾向が強いです。しかし、外資系企業では3年のスパンで考えていくところがほとんどです。
そのため外資系企業は更に固定資産を持つことを好まない傾向があります。
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