物流戦略顧問

化学品 危険物の 「コスト削減請負人」が公開する 海外/国内ロジスティクスを失敗しない秘訣

SAP MRPは購買計画のバイブルです!

 ERP (企業資源計画) とは簡単に説明すると、
 「販売、購買、会計、生産などの業務を一元管理するシステム」です。

 ERP ソフトウエアには、最も有名なドイツのSAP社の SAP R/3があげられます。主なモジュールは下記の通りです。

 

販売管理のモジュール Sales and Distribution  (SD)

在庫購買管理のモジュール Material Management (MM)

倉庫管理モジュール Warehouse Managment (WM)

生産計画、生産管理のモジュール Production Planning and Control (PP)

品質管理のモジュール Quality Management (QM)

プラント保全のモジュール Plant Maintenance (PM)

人事給与のモジュール Human Resources (HR)

財務会計のモジュール Financial Accounting (FI)

FIのサブモジュールには、G/L(総勘定元帳)、AP(債務管理)、AR(債権管理)、AA(固定資産管理)などがあります。

 

 私も1998年今から20年前に外資系日本支社にSAPを導入する為に、日本向けのSAP構築プロジェクトでシンガポールに滞在し、SD, MM, FI のモジュールを日本に導入しました。

 

 SAP R/3の中でロジスティクスに関連する最もキーになるトランザクションがあります。

 それはMRP(資材所用計画)です

 MRPは商品マスターの中で製品ごとの発注単位、リードタイム、安全在庫を設定した後、販売の受注量、在庫量を基に即座に補充する量をリアルタイムで計算するのです。私はこのシステムはとても素晴らしく、購買計画のバイブルだと思っています。


  SAP R/3は非常すぐれたパッケージで、外資系ではグローバルで連結するのにSAPを好んで使われており、外資系日本支社でもSAPを導入されているのですが、実際には使いこなしていない会社が多いです。結局のところ、SAP以外にエクセルを使って管理しているようです。

 

    これはSAPを導入している会社では絶対やってはいけないことなのです!!!

 エクセル管理はリアルタイムでアップデイトできないからです。

 

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 今でもSAP改善依頼を受けます。
 SAPは優れたシステムなのですが、20年たった今でも上手くいってない会社が多いみたいです。最初の導入時に各部署のスペシャリストが力を合わせて構築しないと、結局は上手くいかないみたいです。実は立ち上げよりも、ごちゃごちゃになったものを改善するほうが大変です。

 

 ここで番外編の話です。

 システムで受注管理する場合、受注管理の入力者は 
”注文日” ”注文番号” ”商品名”、数量”、”希望納期”などを入力します。

 

 質問です!

 その価格は誰が入力しますか??

 

 外資系では受注入力者と価格管理者とは別になっています。
その理由は2つあります。

1. 受注入力者が価格操作できないようにする。(コンプライアンスの問題)
2. 価格が確認できなければ、出荷できないようにする。(コンプライアンスの問題)

 営業が顧客との値決めができてない段階で、取り急ぎ出荷しろと依頼を受けても出荷できないように、価格が決まっていなければ、システムは出荷できないようにしています。


NO PRICE!!   NO DELIVERY!!

 

出荷後に価格を決めるなんてありえないと思われる方も多いかもしれません。
しかしながら、実際結構多いんですよ。