物流戦略顧問

化学品 危険物の 「コスト削減請負人」が公開する 海外/国内ロジスティクスを失敗しない秘訣

そもそも10トン車には10トン積載できない!

 そもそも、10トン車には10トンの貨物は載りません。

 

 トラックには、積載する貨物の重量に制限があります。どれだけの貨物を積載することができるかは、トラックの形状によって異なります。

 

   10トン車のトラックであれば、貨物を10トン積載できるように思っていないですか?実は、10トン車には10トンまるまる積載することはできないのです。

 

 

f:id:logiconjapan:20181023140753j:plain

 

 

 では、10トン車にはいったい、いくらの重量を積載することができるのか。

 

 トラックの最大積載量の計算式は下記の通りです。

 

最大積載量= 車両総重量-(車両重量+運転手、燃料、部材等の重量)

 

荷台には 養生材、荷締道具、他部材 なかには鉄板を敷いていたりするので、この重量も加算しなけらばなりません。

 

  10トン車の「車両総重量」は20トン程度になるので、20トンから「車両重量」、「運転手」、「燃料」、「部材」などをひいていくと、最大積載量が算出できます。

 

 例えば、

10トン車に積載する場合には、

 1)20トンー(10トン+ 運転手/荷締道具等 0.1 トン)   =   9.9 トン

 

2)9.9トン(荷台に積載できる重量)は、まだグロスウエイト (総重量/風袋や包装を含めた全体の重量:Gross Weight)です。

 

このグロスウエイト(Gross Weight )から パレット、袋等の重量を引いて、ネットウエイト(正味重量:Net Weight)を算出します。

 

 

 

例えば、ある商品は 25 kgs x 40 bags =1,000 net kgs/1 pallet とします。

 

1 pallet= 1,000 net kgsの風袋を計算します。

 

紙袋の重さは 0.5 kgs 程度 0.5 kgs x 40bags = 20 kgs

Palletの重さは10-20 kgs

 

その商品の1パレット の グロスウエイト(Gross weight)は、

商品の正味重量 1,000 kgs +袋の重さ(40枚)20kgs + パレットの重さ(1枚) 10-20kgs

= 1,030- 1,040 kgs

     

25 KGS X 40 BAG / palletの場合、 1パレットのグロスウェイトは、最大で約1,040 KGSとなります。

 

つまり、10トン車には9パレットが最大積載数量になります。

 

 

 4トン車も同じです。4トン車も4トンの貨物が積載できると思いがちですが、4トンは積載できません。

 また、平ボディ車は、ウィング車と比べて車両重量が軽いため、その分多く荷物を積むことが可能です。下記は、4トン車の積載総重量の目安です。 

 

4トンウィング車 : 2.7t

4トン平ボディ車 : 3.6t

 

 

 平ボディとは、荷台がフラット型の汎用性の高いトラックです。ウィングボディとは 貨物が降ろしやすいように、バンボディの両側が開くトラックです。開いた時には、鳥の翼を広げたような形になるのでウィング車と呼ばれています。

 


 ロジスティクスを理解することで、皆さんの悩みが解決することができれば、嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

台風21号のダメージから1か月、現在も大変作業が続いている!

 9月4日、近畿地方に非常に大きな勢力を持った台風21号が、上陸しました。

 

 関西国際空港を繋ぐ連絡橋にタンカーがぶつかり、自動車専用道路がずれてしまいました。また、鉄道の線路も損傷してしまい、関西国際空港への全ての連絡網が不通となりました。そのために、関西国際空港では、大勢の利用客が空港内に取り残されてしまいました。関西国際第1ターミナルは、ほぼ全域冠水でした。皆さんもテレビのニュースで、何度かそんな光景をご覧になられたことと思います。

 

 神戸六甲アイランド 国際コンテナターミナルのRC2では、コンテナの中のマグネシウムで火災が発生しました。マグネシウムには水をかけることができず、燃え尽きるまで待つしない状態が続きました。なぜならば、マグネシウムは水をかけると化学反応を起こして、爆発する可能性があるからです。

 

f:id:logiconjapan:20181007132817j:plain

 

 それから、約1か月が過ぎました。

 

 ようやく、関西国際空港や神戸六甲アイランド国際ターミナルからコンテナの引き取りが可能となり、1か月過ぎて浸水したコンテナを開けることになります。

 

 コンテナヤードに置かれていた状況にも依りますが、コンテナヤードで1番下に置かれていたコンテナは約1メートル浸水していました。商品によっては、カビが生えているものもあります。

 

 今回の浸水のダメージは一番の問題は普通の雨水ではなく、「海水」であることです。商品に塩分が含まれるいると、使えなくモノがたくさんあります。本当に水分だけなのか、塩分が含まれた海水のダメージなのか、判断が非常に難しいです。

 

 そんな時には、サーベイヤー(検査員)の方は「硝酸銀」を持っています。濡れた箇所に「硝酸銀」を垂らすと、塩分を含んでいるならば、白く反応するのです。

 

 商品にダメージがあった場合は、保険会社に貨物保険を請求するために、次の通り必要な書類を準備してください。

 

* 保険証券のコピー

* B/L(船荷証券)または エアーウェイビル(航空運送状)のコピー

* インボイス

* 船会社へのクレームノティス(クレーム通知書)のコピー

* 事故報告書(フォワーダからの入庫報告書、写真など)

* 保険料請求の明細書、見積書など。

* SDS (安全データシート)サーベイヤーに商品の説明をする時に必要となります

* EIR (イーアイアール)コンテナをCYから/に搬出入する時に、ターミナルオペレーターが、コンテナの外観状態を確認する受渡証のことです。コンテナの搬出入時に異常が発見されれば、その内容がEIRに記載されています。

 

 

 現場の立会い検査には、保険会社から派遣されてサーベイヤー(検査員)が来られ、ダメージ状況を確認します。今回の神戸六甲アイランドの国際ターミナルでのダメージの検査では、船会社から派遣されてきたサーベイヤー(検査員)も立会に来られました。

 

 サーベイヤー(検査員)の見解は、荷主が思うように「全損」となかなか判断してくれません。海水に浸かっていない部分があれば、まだ使えるのではないか、安くして売れませんか、再利用できませんかなど、極力費用を抑えるように働きかけます。荷主も海水に浸かっており、使用できないということを証明をしなければなりません。

 

 荷主も極力サーベイヤー(検査員)に協力しますが、海水に浸かってまだ湿っている商品をならまだ説明することは可能ですが、すでに乾いている商品の場合にはダメージを被った商品であることを明確にするために品質分析して”使えない”と証明する必要があるのです。分析するにしても、商品を動かすにも、保険会社かサーベイヤーと確認しながら、事を進めていきます。

 

 神戸ですでに5か所で調査に立ち会ってきましたが、今週もまだまだ続きそうです。

 

 

 ロジスティクスを理解することで、皆さんの悩みが解決することができれば、嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

コンテナが水没! あなたの保険は大丈夫?

 2018年9月4日に兵庫県内を通過した台風21号により、神戸市東灘区の六甲アイランドでは、コンテナターミナル内で数多くのコンテナが浸水により、大きなダメージを受けました。神戸港 六甲ターミナルRC6/RC7では、完全復旧するまでに年内いっぱいかかる模様です。

 

 そこで、今回は貨物に対する海上保険の話です。

 

f:id:logiconjapan:20180910133533p:plain

 

 水没してしまった貨物、或いはコンテナ自体が海に流されて貨物が紛失してしまった場合は保険でカバーできるのでしょうか。

 

  

 その貨物に対する海上保険にも、種類があります。

 


 最新の約款である2009年約款は、担保する内容に応じて、ICC(協会貨物約款)(A)、ICC(B)、ICC(C)の3種類と、別途特約として協会戦争約款・協会ストライキ約款があります。

 

 その3種類について説明していきます。


 先ずは、ICC(A)は、もっとも広い範囲の条件です。海上の危険だけでなく、荷役中の事故など輸送中の全て危険を担保する条件です。


下記の1-4) は(A)のみカバーして危険の担保範囲です。
1) 雨・雪などによる水濡れ
2) 破損・へこみ・曲がり
3) 盗難・抜け荷・紛失・付着
4) 外的要因による漏出・不足

(旧約款、1963年版のオールリスク(A/R)条件(All Risksの略/全危険担保)にほぼ同じです。)

 

 

 ICC(B)では、下記 5-7) は(C)ではカバーしていない危険の担保範囲です。
5) 船舶・艀への積み込み、荷卸し中の水没、落下等による1個ごとの全損
6) 海水、湖水、河川水の輸送用具・保管場所等への浸水 (雨・雪の水濡れは含まれず)
7) 地震、噴火、雷

(旧約款のWA条件(With Averageの略/単独海損担保、分損担保)にほぼ同じです。)

 

 ICC(C)はもっとも狭い担保範囲の保険です。

火災、爆発、船舶または艀の座礁、沈没などで航海できなった危険をカバーする保険です。
(旧約款のFPA条件(Free from Particular Averageの略/単独海損不担保)にほぼ同じです。)

 

 そして、もっとも広い担保範囲をもつ ICC(A)であっても、戦争、ストライキ、は免責となっています。しかながら、特約を付加することでカバーすることができます。それが、協会戦争約款、協会ストライキ約款です。

 

 

 保険でカバーされる期間は、原則として貨物が仕向港の荷受人の指定する倉庫に搬入され、荷卸しが完了するまでの期間までです。(Warehouse to Warehouse Clasue)

 

 あなたのどの種類の海上保険に入っていますか?

あなたの加入している保険で損害をカバーできますか?

 

 ロジスティクスを理解することで、皆さんの悩みが解決することができればうれしいです。

 

 

 

 

 

 

 

関税にも消費税はかかる HSコードとは

 HSコードとは、日本に商品を輸入(輸出)する時に その商品がどのようなモノであるかを世界共通認識ができるように「商品の名称及び分類」をコード番号で表したものです。

 

 HSとは、「Harmonized Commodity Description and Coding System」の頭文字から呼ばれています。世界税関機構(WCO)の加盟国の日本をはじめ153国、また加盟していない国でもこのHSコードを使用されており、おおよそ200国以上がこのHSコードを使用しています。

 

 さて、このHSコードを日本では「輸出入統計品目番号」また簡単に「税番」と呼ばれています。そして、このHSコードの構成は、最初の上2桁の「類」、類を含む上4桁の「項」、類、項を含む上6桁の「号」と呼ばれています。


 この最初の6桁までが、世界共通であり、日本はここから更に3桁を足して分類をし、全部で9桁となっています。

 

f:id:logiconjapan:20180901112554j:plain

 

 では、このHSコードを具体的みてみます。わかりやく皆さんの馴染みがるピアノのHSコードは下記の通りになります。

 

第92類 楽器並びにその部分品及び付属品
92.01 ピアノ(自動ピアノを含む)ハープシコードその他の鍵盤のある弦楽器
92.01.10-000 アップライトピアノ
92.01-20-000 グランドピアノ

 このアップライトピアノもグランドピアノもHSコードは上記のようになっています。そしてどちらの「無税」です。


 次に化学品を例えて説明すると、少し難しくなりますが、化学品は下記のように分類されています。

第6部 化学工業(類似の工業を含む。)の生産品

第28類 無機化学品及び貴金属、希土類金属、放射性元素又は同位元素の無機又は有機の化合物
第29類 有機化学
第30類 医療用品
第31類 肥料
第32類 なめしエキス、染色エキス、タンニン及びその誘導体、染料、顔料その他の着色料、ペイント、ワニス、パテその他のマスチック並びにインキ
第33類 精油、レジノイド、調製香料及び化粧品類
第34類 せつけん、有機界面活性剤、洗剤、調製潤滑剤、人造ろう、調製ろう、磨き剤、ろうそくその他これに類する物品、モデリングペースト、歯科用ワックス及びプラスターをもととした歯科用の調製品
第35類 たんぱく系物質、変性でん粉、膠着剤及び酵素
第36類 火薬類、火工品、マッチ、発火性合金及び調製燃料
第37類 写真用又は映画用の材料
第38類 各種の化学工業生産品

 

 では、ある化学品AのHSコードが ”2903.99-100”とします。

 この分類は下記の通りです。
第29類 有機化学
2903 炭化水素のハロゲン化誘導体
2903.99 その他のもの
2903.99-100

このHSコードでは、「無税」です。

 

 しかしながら、化学品Aは、第38類 各種の化学工業生産品 3824.90-999ではないかと税関から言われると 関税率が2.6%となってしまいます。


 つまり、HSコードによって支払う関税率が異なるということです。


 HSコードの間違って申請して低い関税率で申告した場合には、過去5年間にさかのぼって関税の修正対象になります。

 輸入申告不足関税額として、
関税、消費税、地方消費税、過少申告加算税(関税)、過少申告加算税(消費税)延滞税を税関支払うことになります。

 そして、もう一つ大事なことが、関税に対しても、消費税がかかるということです。

輸入消費税=(CIF価格+関税)×消費税率(8%)

この輸入消費税(8%)は、内国消費税(6.3%)と地方消費税(1.7%)に分けられています。

 

 だから、HSコードを決めることは大事なことなのです。

 

 ロジスティクスには貿易の知識も必須です。

 ロジスティクスを理解することで、皆さんの悩みが解決でことができれば嬉しいです。

 

 

 

 

税関の事後調査 貿易を知らないと怖いことになる

 輸入業者は通常5年ごとに税関から「輸入事後調査」を受けることになります。
 
「輸入事後調査」とは、税関職員(2-3名)が実際に輸入者の事業所を訪問して、
過去5年にさかのぼって、輸入関係の帳簿・書類を調査します。税関は通関履歴を保存していますので、事後調査の前には税関職員はその事業者の輸入履歴は全て把握しています。
 
 この「事後調査」の目的とは、輸入された貨物の課税標準、又は納付すべき税額の確認です。そして、調査対象となる税目は輸入された貨物の関税と内国消費税です。


そして、税関職員が調査する対象の帳簿・書類は下記の通りです。

1.関税関係帳簿:
輸入の許可書と通関関係書類で代用できます。

 

2. 通関関係書類:
輸入の許可を受けた貨物の仕様書、運賃明細書、保険料の明細書、包装明細書等です。


3.輸入の許可を受けた貨物の価格表(プライスリスト)

 

4. 輸入の許可を受けた貨物の製造者又は売渡人の作成した仕出人との間の取引についての書類:
メーカーズインボイス等です。

 

5. 総勘定元帳、補助台帳、補助簿 振替伝票、決済書類等の経理関係書類、法人税確定申告書、消費税確定申告書

 

6. 発注関係書類、契約書、往復文書等の貿易関係書類

 

7. 電子メール等の取引情報に係る電磁的記録

 

8. 会社概要, 会社組織図、稟議書

 

f:id:logiconjapan:20180820221747j:plain


 税関職員から書類の不備でとして、指摘されること多いケースには、通関関係書類の中で特に国際宅配便の輸入許可通知書です。サンプルなどは国際宅配便(FedEx, DHL など)が使用されますが、その輸入許可通知書を保存していないことが多いです。なぜなら、国際宅配便の業者には依頼しないと送ってくれないことが多いからです

 

 サンプルであろうと、基本的には全ての輸入貨物には、通関時に輸入許可通知書が発行されます。税関は、全ての内容が記載されている輸入許可通知書の保存を義務づけています。


 そして、サンプルについては申告価格が不適正と指摘されることが多いです。無償サンプルであるからといって、申告価格を0(ゼロ)円とか1円とかにすると、これは不適正な価格とされます。

 これは、いわゆるアンダーバリュー(関税を払いたくないために、安い価格で申告すること)で脱税をしていることになります。

 

 不適正な申告が見つかると、それは脱税に繋がり、膨大な金額のペナルティを支払うことになります。申告価格は常に価格表と一致すべき価格であり、申告価格の通りに売主に支払いが行われていることが必須です。

 

 書類は輸入許可通知書まできちんと保存して下さい。帳簿は7年間、書類は5年間(輸入許可日の翌日から起算)が保存期間です。

 

 ロジスティクスには貿易の知識も必須です。

 ロジスティクスを理解することで、皆さんの悩みが解決でことができれば嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

欠品・過剰在庫の解決方法

 ロジスティクスの役割は、市場の動きに連動して、必要な商品を調達し、必要であれば倉庫に保管し、注文に応じて最適な方法で顧客に届けます。

 

 物流全般の悩みとして絶えないのが、在庫管理の問題です。

 つまり、「欠品」や「過剰在庫」を無くすのには、どのように管理したらいいのかということです。

 

 会社に依っては、営業部門が商品を発注依頼し、購買部門が営業の依頼通りに発注する。その後は、営業が確保した在庫を物流部門が顧客へと発送するという仕組みが多いです。

 

 営業は発注を依頼する時に「欠品」しないように特に注意します。なぜなら、営業にとっては、欠品は自分たちの売り上げの大きく影響し、また顧客との信頼も無くすからです。営業の気持ちはわかります。

 

 すると、営業から多め多めに発注されて、在庫は段々と増えていくわけです。

 

 最近、相談を受けた一つには、購買は営業の依頼通りに発注していたのですが、購買は次の発注時で「これ以上の発注は多いのではないか」と営業に言ったのですが、営業からは「もし在庫が切れたら責任を取れるのか」と言われ、結局購買は営業の依頼通りに発注したそうです。その結果、倉庫には7ヶ月以上も在庫が溢れて入らなくなりました。

 そして、その商品はなんと「危険物」だったのです。とんでもなく怖い話です。

 

f:id:logiconjapan:20180812101603j:plain

 

 では、質問です。

「発注した在庫が売れ残ったら誰の責任ですか?」

 

「そんなの、発注したのは営業だから営業が責任を取るべきだろう」ですか?

 営業は、欠品は自分達の売り上げに影響するので注意をしますが、売れなくて、過剰在庫になっても気にする営業はいません。

 

 過剰在庫になってしまうと、余分な保管費、管理費などがかかります。長期の在庫保管は品質維持の問題も発生しかねません。結局時期が過ぎて、値段を下げても売れなくなり、最悪のケースは廃棄処分することになります。

 

 これって、おかしくないですか?

 

 営業がいくら売り上げをあげても、一方で無責任な損失を出すことになっていては意味がありません。

 

 そもそも、営業、購買、物流部門は基本的に自分たちの独自の判断で動いているからです。会社全体で発生している無駄や損失は誰にも見えていません。

 

そこで、全体の最適化の視点を持つのがロジスティクスです。ロジスィクスがない会社では大きな損失を被ります。

 

皆さんが、そんな悩みを解決できるロジスティクスを知っていただき、お役に立てれば嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

路線運賃 値下げの交渉術

 各社から路線運賃の値上げ要求が続きます。たとえ、それが契約期間内であろうと、トラック会社からの値上げ要求はやってきます。


 現在の契約している路線運賃が、市場価格よりも安い場合だと、現在の値上げ基準まで運賃の値上げを求められると、それはかなり高い値上げ率の要求になります。

 今回、色々なフォワーダーに入札とし価格調査をしました。理由は、今回の値上げ率は50-60%に上昇したからです。

 

 すると、フォワーダと話をしていると色々な事がわかってきました。

 フォーワーダも考えます。その顧客化が新規なのか、どのくらいの売上につながるのか。彼らも一度は話し合いの機会をもちますが、話を終えた段階でそのフォワーダの社内で一度篩にかけられ、たとえ、そのフォワーダが興味があると言っていたとしても、とてつもなく高い運賃がオファ―きたりもします。


 今は、新規顧客に対してあれば、基準運賃から40-50%の値上げは当たり前でしょう。特に関東方面では、かなり高い運賃で要求されます。

 

 そんな状況の中で、今回の入札結果は、現状の契約運賃が基準運賃よりもすでに30%も既に安かったのですので、その契約運賃から30%で抑えました。
つまり、今の値上がり前の基準運賃にまでに抑えてたということです。

この運賃は、今の市場運賃よりまだ40-50%は安い運賃です。

 

  なぜ、 このような運賃価格を得たのか?


 今の時代になっても、やはりフォワーダーを下請けのように、命令的に付き合う人が多いです。フォワーダーとは、いつもウインウインの関係が保つべきです。自分の会社だけが命令的な要求をして、ウインウィンなんてありえません。

 

f:id:logiconjapan:20180730152000j:plain

 

 ロジスティクスもシステムで合理化を図ります。無論、それは悪いことでありません。しかし、言いたいことは、最後にはシステムではなく、人間が自分が意思決定するということです。そのなかで大事なことは、人と人とのつながりです。

 路線運賃の値上がりの原因はなんでしょうか。
 -人手不足
 -長時間の残業禁止
 -働き方改革 などなど

 トラック会社、倉庫会社も厳しい状況の中、生き延び行く為に、一生懸命対策をしています。


 そこにウィンウィンの関係を導いていきます。
 

 最後は人とのつながりです。
 今回の値上げが抑えられて理由は、簡単です!

 つまり、フォワーダとの信頼関係から現場の状況を知り、情報を得ていたからこそ、勝ち取ったものです。

 

 また、詳しくはまた機会にお伝えします。