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化学品 危険物の 「コスト削減請負人」が公開する 海外/国内ロジスティクスを失敗しない秘訣

関税にも消費税はかかる HSコードとは

 HSコードとは、日本に商品を輸入(輸出)する時に その商品がどのようなモノであるかを世界共通認識ができるように「商品の名称及び分類」をコード番号で表したものです。

 

 HSとは、「Harmonized Commodity Description and Coding System」の頭文字から呼ばれています。世界税関機構(WCO)の加盟国の日本をはじめ153国、また加盟していない国でもこのHSコードを使用されており、おおよそ200国以上がこのHSコードを使用しています。

 

 さて、このHSコードを日本では「輸出入統計品目番号」また簡単に「税番」と呼ばれています。そして、このHSコードの構成は、最初の上2桁の「類」、類を含む上4桁の「項」、類、項を含む上6桁の「号」と呼ばれています。


 この最初の6桁までが、世界共通であり、日本はここから更に3桁を足して分類をし、全部で9桁となっています。

 

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 では、このHSコードを具体的みてみます。わかりやく皆さんの馴染みがるピアノのHSコードは下記の通りになります。

 

第92類 楽器並びにその部分品及び付属品
92.01 ピアノ(自動ピアノを含む)ハープシコードその他の鍵盤のある弦楽器
92.01.10-000 アップライトピアノ
92.01-20-000 グランドピアノ

 このアップライトピアノもグランドピアノもHSコードは上記のようになっています。そしてどちらの「無税」です。


 次に化学品を例えて説明すると、少し難しくなりますが、化学品は下記のように分類されています。

第6部 化学工業(類似の工業を含む。)の生産品

第28類 無機化学品及び貴金属、希土類金属、放射性元素又は同位元素の無機又は有機の化合物
第29類 有機化学
第30類 医療用品
第31類 肥料
第32類 なめしエキス、染色エキス、タンニン及びその誘導体、染料、顔料その他の着色料、ペイント、ワニス、パテその他のマスチック並びにインキ
第33類 精油、レジノイド、調製香料及び化粧品類
第34類 せつけん、有機界面活性剤、洗剤、調製潤滑剤、人造ろう、調製ろう、磨き剤、ろうそくその他これに類する物品、モデリングペースト、歯科用ワックス及びプラスターをもととした歯科用の調製品
第35類 たんぱく系物質、変性でん粉、膠着剤及び酵素
第36類 火薬類、火工品、マッチ、発火性合金及び調製燃料
第37類 写真用又は映画用の材料
第38類 各種の化学工業生産品

 

 では、ある化学品AのHSコードが ”2903.99-100”とします。

 この分類は下記の通りです。
第29類 有機化学
2903 炭化水素のハロゲン化誘導体
2903.99 その他のもの
2903.99-100

このHSコードでは、「無税」です。

 

 しかしながら、化学品Aは、第38類 各種の化学工業生産品 3824.90-999ではないかと税関から言われると 関税率が2.6%となってしまいます。


 つまり、HSコードによって支払う関税率が異なるということです。


 HSコードの間違って申請して低い関税率で申告した場合には、過去5年間にさかのぼって関税の修正対象になります。

 輸入申告不足関税額として、
関税、消費税、地方消費税、過少申告加算税(関税)、過少申告加算税(消費税)延滞税を税関支払うことになります。

 そして、もう一つ大事なことが、関税に対しても、消費税がかかるということです。

輸入消費税=(CIF価格+関税)×消費税率(8%)

この輸入消費税(8%)は、内国消費税(6.3%)と地方消費税(1.7%)に分けられています。

 

 だから、HSコードを決めることは大事なことなのです。

 

 ロジスティクスには貿易の知識も必須です。

 ロジスティクスを理解することで、皆さんの悩みが解決でことができれば嬉しいです。