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化学品 危険物の 「コスト削減請負人」が公開する 海外/国内ロジスティクスを失敗しない秘訣

コンテナが水没! あなたの保険は大丈夫?

 2018年9月4日に兵庫県内を通過した台風21号により、神戸市東灘区の六甲アイランドでは、コンテナターミナル内で数多くのコンテナが浸水により、大きなダメージを受けました。神戸港 六甲ターミナルRC6/RC7では、完全復旧するまでに年内いっぱいかかる模様です。

 

 そこで、今回は貨物に対する海上保険の話です。

 

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 水没してしまった貨物、或いはコンテナ自体が海に流されて貨物が紛失してしまった場合は保険でカバーできるのでしょうか。

 

  

 その貨物に対する海上保険にも、種類があります。

 


 最新の約款である2009年約款は、担保する内容に応じて、ICC(協会貨物約款)(A)、ICC(B)、ICC(C)の3種類と、別途特約として協会戦争約款・協会ストライキ約款があります。

 

 その3種類について説明していきます。


 先ずは、ICC(A)は、もっとも広い範囲の条件です。海上の危険だけでなく、荷役中の事故など輸送中の全て危険を担保する条件です。


下記の1-4) は(A)のみカバーして危険の担保範囲です。
1) 雨・雪などによる水濡れ
2) 破損・へこみ・曲がり
3) 盗難・抜け荷・紛失・付着
4) 外的要因による漏出・不足

(旧約款、1963年版のオールリスク(A/R)条件(All Risksの略/全危険担保)にほぼ同じです。)

 

 

 ICC(B)では、下記 5-7) は(C)ではカバーしていない危険の担保範囲です。
5) 船舶・艀への積み込み、荷卸し中の水没、落下等による1個ごとの全損
6) 海水、湖水、河川水の輸送用具・保管場所等への浸水 (雨・雪の水濡れは含まれず)
7) 地震、噴火、雷

(旧約款のWA条件(With Averageの略/単独海損担保、分損担保)にほぼ同じです。)

 

 ICC(C)はもっとも狭い担保範囲の保険です。

火災、爆発、船舶または艀の座礁、沈没などで航海できなった危険をカバーする保険です。
(旧約款のFPA条件(Free from Particular Averageの略/単独海損不担保)にほぼ同じです。)

 

 そして、もっとも広い担保範囲をもつ ICC(A)であっても、戦争、ストライキ、は免責となっています。しかながら、特約を付加することでカバーすることができます。それが、協会戦争約款、協会ストライキ約款です。

 

 

 保険でカバーされる期間は、原則として貨物が仕向港の荷受人の指定する倉庫に搬入され、荷卸しが完了するまでの期間までです。(Warehouse to Warehouse Clasue)

 

 あなたのどの種類の海上保険に入っていますか?

あなたの加入している保険で損害をカバーできますか?

 

 ロジスティクスを理解することで、皆さんの悩みが解決することができればうれしいです。