物流戦略顧問

化学品 危険物の 「コスト削減請負人」が公開する 海外/国内ロジスティクスを失敗しない秘訣

失敗すれば即クビだ!

 コンサルティングの方が書かれた書籍はたくさんあります。

 

 しかしながら、机上の理論は、現場には当てはまらないことがほどんどです。当たり前と感じることが、現場ではなかなか簡単に進まないのです。そして、それを解決することが出来るのは、現場を知るものだけだということもわかります。

 

 実は約20数年前に私が外資系企業でロジスティクスの仕事を始めた時も、その後もロジスティクスで数々の問題に直面し、悩み苦しんだ時期がたくさんありました。それはもしかしたら、今の皆さんと似ている状況だったかもしれませんね。

 

 今から20数年前に私はひょんなご縁である外資系企業に入社することになりました。その当時の私は、「外資系企業」も「ロジスティクス」も全く未知の世界でした。

 

f:id:logiconjapan:20180330141633j:plain

 着任してわずか3日目に、突然オランダ本社のグローバルロジスティクスデイレクターとシンガポールからアジアロジスティクスマネージャが日本にやってきて、私は日本の「ロジスティクスマネージャー」に任命されました。それも唐突にです!

 

 さすがに私は「なんで??」と思いました。私は入社してからまだ数日でしかも過去にロジスティクスの経験はありません。

 

「あなたの好きなように決めてやればいいんだよ。やりたいことを進めていくうえで、まわりにいる人間はみんなあなたに協力させるように伝えるし、あなたの動きやすいように権限を与えるので、わが社の問題となっているロジスティクスをぜひ成功させてほしい!」

 

 さすがに私もここまで言われたら、「何とかやってみよう!」と思い始めました。

 

  しかし、その話にはまだ続きがありました。

 

 「ただし、失敗すれば即クビだ!」

 

 その強烈な言葉を聞いて、冷や汗が背中に流れました。

 

 だけど、冷静になってよく考えると、「断ってもクビ、やってもクビかも」だったら断る理由はないと思い直し、引き受けました。

 

 

 そして、私の急いで向かった先は「書店」でした。

 ロジスティクスや在庫管理の本を5-6冊購入し、急いで読み始めました。はじめて読むロジスティクスの本は、それはそれはとても学術的な表現だったり、難しい計算式やグラフが並べられていたり、何度も読んでも全くわかりませんでした!!

 

 私には後ろに引き返すことはできません。本でよくわかなかったことは、港や倉庫に出向き、現場の人に頭を下げて教えてもらいました。寝る間も食べる時間も惜しんでとにかく必死で勉強しました。どこの業界も同じだと思います。最低限の基礎知識を身に付けていなければ、丸腰で行ってもだれも相手にしてくれません。とにかく話のテーブルにつけるようになるまでは、一心不乱に現場と本を行き来しながら、知識をつけていきました。

 

 それから20年以上が経過し、ロジスティクスプロフェッサーとして、今では当たり前のように現場で起きる問題や課題を解決しています。

 

 そんな中、秀和システム様よりお声がけをいただき、ロジスティクスの入門者への教科書となるような本として

図解入門ビジネス 最新ロジスティクスの基本と実践がよくわかる本」

を出版させていただきました。

 

 

「あの時、知りたかったこと」「わかりやすい言葉やイラストで伝えてほしかったこと」、少しでも皆さんにお役にたてるのであればと、わかるやすくお読みいただける本になったと思っております。また、多くの皆さんから質問される「どうして毎年そんなにコスト削減が出来るのか?」というコスト削減については、具体的な方法を記載いたしました。

 

 ロジスティクスは生き物です。」

 常に一定ということはなく、日々問題が起こります。

 世の中の変化に伴って、進化し続けているのがロジスティクスです。

 ロジスティクスは今後も生涯、世の中に必要とされる仕事であり、決して世の中からなくならない仕事です。

 

 最後に、お読みいただいたあなたが抱えるロジスティクスの悩みが解決に向かうお手伝いとなれば、とても嬉しく思います。

 

 

伊志井雅博