いち早く商品を届けたい営業の思い - コンテナドレージ
昨年末から本船のスケジュールが遅れているので、年始早々少しでも早く商品を客先に届くようにしてほしいと営業から依頼を受けます。
大阪の客先に商品を納めるのに、大阪港に着く予定の船が遅れ、東京港に着く船からコンテナを大阪の客先へ納めてほしいというリクエストです。営業は年始早々からクレームを受けたくないので必死の思いです。
コンテナを東京港から大阪まで輸送するとなると、コンテナの陸上輸送料金がかなり高くなります。このコンテナの陸上輸送費を「コンテナドレージ」と言います。
コンテナドレージは、コンテナヤードから指定場所までの輸送とその指定場所からコンテナヤードまで戻ってくる往復輸送費です。
つまり、今回の場合だと東京から大阪までの往復輸送費がかかるわけです。
20フィートコンテナー1本を東京・大阪間を輸送すると、片道18万円位、往復だと36万円位はするでしょう。それで採算が取れるかどうかです。
ここでロジスティクスがコスト対策を考える方法として、2つあります。
先ず、一つ目の方法として、コンテナの持ち主の船会社に交渉する方法です。
荷卸した後、空になったコンテナを東京のコンテナヤードに戻すのではなく、大阪のコンテナヤードに返却してよいかを交渉するのです。これには日頃から船会社とのより良い関係が必要です。正面切って話をすれば、「元のコンテナヤードの戻してください」と簡単に言われるでしょう。
二つ目の方法としては、東京港の近くの倉庫までコンテナを運び、そこでコンテナから荷物を降ろし、トラックに積み替えて、大阪まで輸送する方法です。これだと往復料金はかかりません。しかし、倉庫でのコンテナからトラックへの積み替え費用が発生しますので、注意してください。
どんな場合でもあらゆる最善策を提案ができるのがロジスティクスです。
伊志井 雅博
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